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2010年12月21日 (火)

【ICT業界向け講演】クラウドサービスの国際展開に向けた方向性とその戦略

 バックデートで、昨年末(2010年12月下旬)に行われた講演に関することを、備忘を兼ねメモしておきます。
 ご関係者の皆様、当日は貴重な機会にお招きくださり、有り難うございました。(^-^)

=====≪quote≫
■クラウドコンピューティング・国際戦略委員会
 平成22年度 第2回 委員会

日時 :平成22年12月21日(火)13:30~15:30
場所 :ゆうぽうと 紅梅(6階)

議事次第

1.開会挨拶 :特定非営利活動法人ASPIC(ASP・SaaS・クラウド コンソーシアム) 会長
2.委員長挨拶 :エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 取締役 経営企画部長
3.来賓挨拶 :総務省
4.講演
  株式会社日本総研 理事・主席研究員 新保 豊 様
  「日本のクラウドサービスの国際展開に向けた方向性とその戦略示唆」
  ~再考ODA戦略との連動の必要性~
5.当委員会WG検討状況について(中間報告)
6.質疑応答
7.閉会
=====≪unquote≫


 当日の私の資料の抜粋を、貼っておきます。

=====≪quote≫
■「日本のクラウドサービスの国際展開に向けた方向性とその戦略示唆」
 ~再考ODA戦略との連動の必要性~

【目的】
 日本のクラウド事業者の国際競争力向上・海外展開促進に向けた各種施策検討・政策提言を行う

【1】ODA戦略の再考

●ODAの歴史と意味合いの変容
≪参考≫主要海外機関の概要(ADB、IMF、World Bank)
≪参考≫円借款:JICAおよびJBICの概要
* 「国際協力」を超えて「国際展開」(ビジネス)とするには、もはや外務省や財務省管轄の資金を戦略的に活用することが求められる
≪参考≫日本の国際収支変遷(多額貿易黒字・所得黒字+適度な資本収支赤字)

●途上国援助とODAのあるべき姿

●戦略的ODAを考える

【2】グローバリズムを知り備える

●「SCPパラダイム」で考える
* 「CSPパラダイム」がグローバル市場のパラダイム
(注)「C⇒S⇒Pパラダイム」(シカゴ学派)
 「C](企業のグローバルベースの戦略と行動)が、各国の「S」(市場構造など)を支配し、「P」を最大化。
 ← 米欧の多国籍企業、“リーマン・ショック”前の投資銀行やファンドなど。
 ← 新古典派(ミクロ経済学のマクロへの適用)のアプローチ。
≪参考≫“政治覇権国・金融帝国”化とグローバル構造下における投資と消費のメカニズム
≪参考≫2009年_世界の巨大銀行(25行)の2009年の総資産
≪参考≫世界の主なタックスヘイブンと誤差脱漏
* 「誤差脱漏」と「貿易収支額」との対比(2009年)
 ⇒タックスヘイブンなどへの流出入と推定される
 - 米国     :同赤字の3倍
 - 日本     :同黒字の0.5倍
 - フィンランド :同4.5倍
「国際収支」=A+B+C+D=0
 A:経常収支(貿易収支など) B:資本収支(対外投資など)
 C:外貨準備高          D:誤差脱漏

【3】アジア新興国市場の概観

●新興国を育て刈り取る
* G20(G8除く)の存在感は高まりつつあり、G8は外需に期待(投資によるリターンor収奪)
* G8ないしG2(米中)を、政治経済的に牽制する動きとなろう
* 他方、G8の成長限界という信仰は本当か?
 ⇒実際は正しい総需要政策を採ればG8内需は喚起可
* 特にデフレギャップ膨大(300兆円超)の日本経済の内需潜在性は先進国で最大
≪参考≫真のデフレギャップ規模は膨大
≪参考≫デフレギャップ(真の財源)利用した経済対策と劇的な効果
≪参考≫ICT産業が採るべき未来の発展パターンと「飛躍の10年」
≪参考≫名目GDP成長率とその寄与度
* 「NX(純輸出)」の寄与(相対値)は小さく、絶対額もGDP比で1~3%
≪参考≫強小国は貿易依存度大、大国は一定の内需成長と外需追求
* G7と比べた各経済グループの存在感
* 主な次期ターゲット国(アジア+アフリカ)
≪参考≫中国人民元および韓国ウォンの為替レート推移

●国際収支の発展段階説
* インドの国際収支(多額貿易赤字とODA+IT系サービス黒字)
* インドネシア国際収支変遷(多額貿易黒字と少額のODA・FDI)
* ベトナム国際収支(多額貿易赤字・ODAと多額FDI・短期借入)
≪参考≫韓国の国際収支変遷に見る韓国経済の危うい現状
≪参考≫国家戦略的研究開発を進める場合の戦略の共有

【4】クラウドサービス事業の国際展開

●グローバル市場とクラウドサービスの通説
【2010年12月の外資IT系企業(多国籍企業)の日本法人トップ】
* 日本企業は海外に目を転じ、新たな需要に対応していく必要

(注)日本経済の内需の膨大な潜在性を知らない発言 ⇒本当か?
* それには自らを筋肉質な体質に変え、グローバルで適用するビジネスのやり方、経営のあり方に改めていかねばならない
(注)本当か?
 - “筋トレ”だけでは勝てない。多国籍企業の言いなりになる必要はない。
 - “CSPパラダイム”(多国籍企業の手口)を知り、“SCPパラダイム”
   (特に 相手国の構造)の研究は必須
* 世界的な競争力をもう1度取り戻すためには、独自のやり方に固執するのではなく、グローバルで適用するコミュニケーション基盤、情報共有基盤の整備が不可欠
(注)本当か?
 - 日本企業は、国際収支面で、昔も今も世界トップ級の競争力を保持(最近ではむしろ増加傾向)。
 - 多国籍企業が用意する受け皿(基盤)に全面依存するのでは、競争優位獲得は難

●サプライサイド方策が有効であるかどうかは経済状況に拠る
* 国際展開には、経済成長を促す「インフラ整備」に連動させることが重要
* 「経済成長」←「民間投資」+「政府支出」(投資+消費)+純輸出+消費
≪参考≫新古典派(ネオクラシカル)の経済成長モデルは特殊
* ミスリードさせる「新古典派の経済成長の定式」:
 g(経済成長率)=s(貯蓄率)/v(資本係数)+n(労働人口増加率)+t(技術進歩)

* 経済成長率を大きくするには・・・・
 - s(貯蓄率)を大きくする
  ⇒高齢化に伴い小さくなるので、海外からの資金流入を促す
 - v(資本係数)を小さくする
  ⇒企業リストラと公的部門の合理化(規制緩和による競争促進と小さな政府の実現)
 - n(労働人口増加率)を大きくする   
  ⇒労働人口を確保するため大量の移民を受け入れろ
 - t(技術進歩)を促進する
  ⇒供給サイドの試み(デフレ不況下では二の次)
* しかし、実際は極めて特殊なケースでしか有効でない
* 政府の需要創出政策が必要
 - g(経済成長率) ←I(民間投資)+G(政府支出〔投資と消費〕)+NX(純輸出)+C(消費)
 - g ← 乗数値×(I+G+NX)               
 - Cは、「Y(所得)≒g」の従属関数ゆえ
【誤った政策】デフレ不況下: ROIが見込めないためNX重視 ⇒経常黒字大で円高に
【正しい政策】デフレ不況下: 当面G増やし(成長すれば税収増え債務率減)、適度なNXに

●クラウドサービスの海外動向とマクロ経済面での見通し
* “リーマン・ショック”後の余波冷めやらぬ欧米よりも(に加えて)、新興国の内需拡大に歩調を合わせることも視野に
 - 欧米    ⇒置き換え需要は大   
 - 新興国    ⇒成長率高いが規模はまだそう大きくない

●クラウドビジネスの階層別国際展開時のポイント
* 技術優位性のみでは勝負できない
* 単年度の収益性追求のみでは、現地顧客(政府や企業)のニーズを満たせない

●国際展開時のグリーン化とパートナー連携の核心部分
* 「グリーン化」は、“CSPパラダイム”に基づく多国籍企業らの高等戦略
* 日本企業 ⇒その手口を熟知した上で、土俵を変える戦い方(矛と盾)の備え要
≪参考≫非科学的な国連組織IPCC報告書の成果は政治家の手に
≪参考≫Climategate事件:地球規模の“Much Ado about Nothing”
* 2009年11月17日、英イースト・アングリア大学(UEA)の気候研究ユニット(CRU:Climate Research Unit)がクラッキングされ、地球温暖化研究に関連した電子メールと文書が公開

●日本政府および企業の新興国への進出アクションイメージ
* 成功事例(スモールスタート)を積み上げるための民間主導の「外需獲得基盤」づくり
* 広域経済圏向け「J-SIBA」の構想案
* 広域経済圏をターゲットとする「J-SIBA」組織のイメージ
* 広域経済圏をターゲットとする「J-SIBA」を通じたアクションステップ

●結論
①ODAに求められる昨今の意義と国益
 ⇒untiedからtied(短期)、豊かにし豊かになる(中長期)
  =付加価値(利益+地元含む人件費や賃借料等)向上≠「太らせて刈り取る」 
②グローバリズムの何たるかを知り備える
 ⇒CSPパラダイムの手口・遺伝子(短期的利益志向の株主資本主義)、
  世界の力の序列:政府<多国籍企業<金融機関
③外需の規模(絶対額)と構造や地域研究の不備
 ⇒巨大な内需潜在性+正しい経済政策でGDP成長 ⇒一定の外需獲得
④「インフラ+ICT」の真の相互便益享受
「ICT」例
 ⇒「クラウドとストリーミング」(安価な基盤)+「サービスの独自性」(日本ブランド育成・強化)
 ⇒外需獲得のための一元的発想と同組織の不備への対策
* 民間主導「P-EMA」(外需獲得基盤づくりPJ)によるトライアル 
 ⇒All-JAPANの「J-SIBA」(日本社会インフラビジネス・エイジェンシー)等の組織対応
* 戦略的「Public(相手国+日本政府)・Private(日本)・Partnership」
 ⇒相手国の鉱山資源や農作物等 ⇔ 日本の技術とマネー等
(注)
- 「P-EMA」:Project foundation for External Market Acquisition(外需獲得基盤構築づくりプロジェクト、JRI造語)、
- 「J-SIBA」:Japan Social Infrastructure Business Agency(日本社会インフラビジネス・エイジェンシー、JRI造語)。

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