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2010年8月

2010年8月27日 (金)

【Round Table】北欧専門家とのサービスイノベーションの意見交換

 2010年8月27日(金)に「##### Round Table」なる、北欧のある国と日本側との、「サービス・イノベーション」に関する催しものがあり、そこに私も参加しました。

 同国のMrs.TTが、訪問団のリーダーでした。

 私からは、主に次のことを質問またはコメントしました。

◆日本の「サービス業」の労働生産性(=付加価値額÷労働投入量)が低いのは、その定義である分子(≒営業利益+人件費+減価償却費)が、デフレ下で伸び悩んでいる点にあること。
================================
 労働生産性   米国    日本 

* 製造業    :  3.3%    4.1%
                    ∨
* サービス業 :  2.2% > 0.8%
================================
◆また、流通や小売あるいは農業などの内需型の市場分野において、規制緩和の号令のもと欧米からの企業参入が活発化し競争が激化したこと、あるいは中国からの低価格の農産物が流入してきたことが、サービス業に関する労働生産性が低いことの原因。
◆他方、日本のサービス業は、石川県の加賀屋旅館のサービスに見られるように、世界で類をみないほどの高度なものであること。
 単に財務的な価値のみでは、測れないこと。決して、過度なサービスなどと形容されるものではないこと。
◆主に以上のマクロ経済的視点や非財務的な価値(尺度)まで視野に入れないと、北欧の専門家をミスリードしてしまうのではないか、ということ。

■招待状(日本語)の抜粋:
=====≪quote≫
 この度、#####の政府・大学・企業の各方面からサービス・イノベーション関連の関係者9名 (#####プログラムの幹部)が訪日し、サービスイノベーションの関連機関・企業を訪問する予定です。

 この視察の一環として、8月27日午後14時より帝国ホテルにて、「日本と#####のサービスイノベーションへの取組み」というテーマでラウンドテーブルを開催し、意見交換・議論を通して両国の交流を深めたく存じます。
 ラウンドテーブルの後には、両国の関係を一層深めていただくために軽いレセプションも準備いたしておりますので、皆様には是非ご参加いただきたく宜しくお願い致します。

 尚、当日のプログラムは、別紙の英文招待状に添付してあります。

(略)

 今回のラウンドテーブルの開催に関しまして、東京工業大学#####教授(大学院社会理工学研究科・サービスイノベーション特別教育研究コースディレクター)の多大な協力により実現の運びとなりました。ここに、#####教授に心から感謝すると共に、ご参加される皆様にご報告いたします。
=====≪unquote≫

■#####側の参加者: 男性4名+女性4名の計8名
* Mrs.TT, Director, Service Innovation, ##### Funding Agency for Technology and Innovation, the main architect of ##### strategies in service business and service innovation.
* Mr.LM, D.Sc. (Econ. & Bus.Adm.), professor at University of #####.
and managing director and consultant
* Mrs.SA, B.Sc., Economics and M.Sc., Forestry, Forest Products Marketing.
* Mr.KH, Ph.D. in Finance and a M.Sc.(Eng.) in Civil Engineering, Director, Business Development, Senate Properties 
* Mr.AR, M.Sc.(Econ.) and eMBA, CEO, ##### Oy, a Member of the Board of a major malt, enzyme and incredient producer.
* Mr.JV, Master of Education and leadership, founder and CEO in ##### Ltd.
* Mrs.JA, a research director and senior researcher at ##### University, Senior Technology Adviser, ##### Funding Agency for Technology and Innovation.
* Mrs.HP, D.Sc. (Econ.), Coordinator of ##### – Pioneers of Service Business programme in #####, Senior Consultant at ##### Ltd

■日本側の参加者
* 東京工業大学 教授
* 東京工業大学 教授
* 北陸先端科学技術大学院大学 教授
* 株式会社NTTデータ パブリック&フィナンシャル事業推進部 グローバル推進部 グローバル推進担当部長
* 科学技術振興機構 研究員
* 日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所 サービス・リサーチ担当部長
* 株式会社ぐるなび 執行役員/経営企画室長
* 株式会社日本総合研究所 総合研究部門 理事
* 株式会社野村総合研究所 社会システムコンサルティング部 上席コンサルタント
* 株式会社コーエーテクモネット 代表取締役社長
* 藤沢市、市長室産業戦略担当部長
≪傍聴≫
* 東京工業大学ソリューション研究機構 特任教授(元日本総合研究所)
* 東京工業大学ソリューション研究機構 特任講師
* 東京工業大学 博士課程在籍
* 東京工業大学 博士課程在籍
* 東京工業大学 特任助教
* UPM-Kymmene Japan 社 社長
* #####庁、#####大使館科学技術参事官
* #####大使館商務部
* #####大使館商務部
* #####大使館商務部
* #####技術庁

(注)ちなみに、東京工業大学ソリューション研究機構 特任教授氏は、私の元同僚(日本総合研究所時代)でした。久しぶりの対面となりました。(^-^)

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2010年8月17日 (火)

【問合わせ】ヒンデンブルグ・オーメンに関する最近の金融情勢

 ある方(インフラ系企業の経営企画部長さん)から、掲題のような問合わせが来ました。
 それについてお応えしたものを抜粋しておきます。このblogの性格から、一部の表現は伏せています。想像してみて下さい。(^-^)

=====≪quote≫
 とても興味深いご連絡(eメール)を有り難うございます。
 拝読して、まず大変核心を突いた問題意識をお持ちであることを、あらためて思いました。
 この種の読みに関すること、およびその読みの対象材料そのものについて、日本人の多くの人々は近づかない、無視する、関心を持てないなどの反応をするものだと考えていますので。(^-^)

 下述のロイターの記事のことは、今知りました。ただ米国での相続税問題のことは、以前から注視していました。この相続税問題とは、「コンドラチェフの波」の形成要因の1つだろうと思います。

 経済学者の大半もそうですが、特にエコノミストとなれば、①キチンの波(約40ヶ月、在庫投資要因)を中心に、せいぜい②ジュグラーの波(約10年、設備投資要因)程度しか通常見ていません。
 他方、③クズネッツの波(約20年、建築物・不動産の需要要因)はおろか、④コンドラチェフの波(約50年、技術革新要因あるいは投機による仕掛け要 因)までとなれば、通常①や②のみでのトレーニングしか成されていないので、今般の“リーマン・ショック”以降の経済など、その核心的な分析など所詮でき ないのが実情だろうと思います。少なくとも#####調査部エコノミストなどには当たっていると思います。^^;

 件(くだん)の現#####王からの#####王4世上院議員への世襲(相続)の問題など、世間(日本)ではタブー視されますが、経済の大波の背景として無視し得ないものがあると思います。
 JP・#####王氏の相続があった数十年前にも、同様のことが米国では起こっていますね。政治家(大統領含む)は、資本家・銀行家らの#####に過ぎないという、米国や世界を形作っている基本的な構図が、ここからも透けて見えてきます。(略)

> このところ米国の2番底懸念が再度マスコミ、金融界から宣伝されており
> ますが、この秋に起こるイベントの伏線であるかのように感じられます。
> 8月のFOMCによるFRB量的緩和、バーナンキの発言、中間選挙による
> オバマ民主党の不利という流れから、一つのシナリオ(=NY市場の再クラ
> ッシュ)を描くのは想像し過ぎでしょうか?

⇒ 「FRBの量的緩和」については、事実上の中銀直接引受けを行うかたちで、際限ないドル札(実際は帳簿上のマネー)を刷ることで、窮状を凌いでいます。
 ダラス地区連銀総裁のR・フィッシャー氏によれば、米国の財務は99兆ドルです。つまり、名目GDP比で700%(=99兆ドル÷14兆ドル)であり、日本の190%の比ではないのが実態だろうと思います。政府統計をそのまま、今や鵜呑みにはできません。サブプライムローン問題で明らかにされた、格付け会社も投資銀行の手口・実態に加え、、国家までもが####を行っている可能性を、日本人は(日本のビジネス界も)知らねばなりません。

 「バーナンキの発言」として、“unusual uncertain”というのが最近ありました。もはや何でもあり、と言うメッセージでしょう。
 「中間選挙での####民主党の不利」について。これから起こることが####失脚としてのシナリオなのか、それとも、####続投のためのお膳立てなのか、ということですね。
 恐らく普通に考えれば前者でしょう。何事もそうなった際の理由を後付けできるようにしよう、ということでしょう。上院議員1期目のお金もない(但し、母君は####ネットワークにつながっており、インドネシアなどで####家らとも接点ある模様の)####を、簡単に####にできるメカニズムやパ ワーが背後にあることが想像できます。これが実際の冷徹な政治力学だろうと思います。

> 米財務省・FRBとしての手立ては継続的な円高、人民元高、米国内の
> 政策的インフレ誘導、ドル増刷などしかないため、大規模な再クラッシュ
> には手の打ちようがなくなります。おそらく日本にも大波は押し寄せる
> でしょう(いずれ小沢寄り民主党政権も復活するでしょう)。

⇒ 円高誘導が両国為政者(為替介入当局)が成されているように思います。
 日本は確か2006年の谷垣財務相時代に、40兆円余の為替介入を短期間で行った後、同介入(少なくとも大規模なもの)は行われていないように思います。
 国際収支(経常収支+資本収支)において、前者での貿易収支と所得収支が大幅黒字ではありますが、相手国(米国)の自滅的な作用による、あくまで相対的な円の強さが反映されているだけの結果が、現象面で起こっているのでしょう。

 米国の自滅的な動きについては、かなり####的ですらあると深読みできるかも知れません。
 それに中国のドル国債(米TB)の売りという要因が、この秋以降重なれば、さらに大波化する可能性はありそうです。この大波を知る人々は、いま自らの資産を急速に移動させていると推察されます(例:ドルを含む通貨から、ゴールドや土地や必ず値上がりする証券・国債などの他の資産へ)。あるいは本当のお金持ちは既に移動済みであると想像できます。

> ####王の相続が、仮になんらかの形で穏便に済むのであれば心配する
> 必要もないかと思いますが、先週末のヒンデンブルク・オーメンといい
> (あくまでもテクニカル的な話ですが)、不穏な空気を感じております。
> この秋から冬にかけての動きをどのように予測されていますか?

⇒ 「ヒンデンブルク・オーメン」について。
 下述のような条件が今整いつつあるのか詳細は未チェック下にあります。テクニカル分析手法とはいえ、52週程度の短期の指標として、無視しえないものだと思います。短期と長期で市場を観察することが重要でしょう。
 長期的な今の捉え方として、「ミンスキー・モーメント」が、既に“リーマン・ショック”前に噂され、その通りの経過を目下辿っている(ミンスキー・モーメントを世界はもう通り越してしまった)ように感じます。

 これは、ハイマン・ミンスキーという米国の経済学者が著書『金融不安定性の経済学:歴史・理論・政策』(1989年12月)で予言した、「ミンスキーの瞬間」のことです。
 資本主義はその内在的メカニズム(例:資本と経営の分離、実体経済に過度に乖離・分離する宿命にある金融経済など)により必ず不安定化し危機を迎えるというものです。別称「金融不安定化仮説」とも言います。同様のことはケインズやシュンペーターも唱えています。

 “リーマン・ショック”(2008年9月)の前兆だった、2007年の一連の金融危機時に、この瞬間のことが想起されました。
 例えば、3月:ニュー・センチュリー・フィナンシャル上場廃止手続き、5月:UBS傘下ヘッジファンドHF破綻、6月:ベアスターンズ傘下HFの資金不足、8月:BNPパリバ傘下HFの資金ショート。
 その時、UBS証券のアナリスト(ジョージ・マグナス氏)が、「我々が直面している事態は、“ミンスキーの瞬間”なのではないか?」とつぶやいたそうで す。つまり、金融バブルが崩壊し、金融危機が訪れた瞬間のことです。そして、間違いなく私たちは、この瞬間を既に過ぎた世界にいるのだと思います。

 ついつい長文になってしまいました。これから目が離せない「個々の小モーメント」を迎え、それが次第に連なり大波化していくことを予想しています。もちろん、このようなものが来ないに越したことはありませんが。

 では日本人は何ができるかを考える時、せめてこのような実態やその背景、さらには通常の政府統計や政府広報あるいはマスコミ情報では、まったく不正確かつ情報が足りないということを、日本人が自覚しておくことがまず不可欠だと考えています。
 備えなしの大波・激震が襲う場合の被害は甚大でしょう。日本人は 残念ながら、こうした動きに対して、蚊帳の外に目下置かれているものと想像しています。

 何かありましたら、お気軽にどうぞ。取り急ぎご返信まで。
=====≪unquote≫

≪参考≫
=====≪quote≫
 ヒンデンブルグ・オーメン(Hindenburg Omen)とは市場分析のためのテクニカル分析の一つだが、下記の条件で発生するものと定義されている。
①ニューヨーク証券取引所(NYSE;New York Stock Exchange)において、52週の高値更新銘柄数と52週の安値更新銘柄数の双方ともが、NYSE総取引銘柄数の2.2%を超えている
②この2つの数字うち、小さい方が75より大きい(絶対条件ではない)
③ニューヨーク証券取引所の10週移動平均線が上昇している
④同日にマクレラン・オシレーターが負数を示している
⑤52週最高値数が、52週最安値数の2倍を越えないこと(絶対条件)
* 過去資料によると、ヒンデンブルグオーメンが確認された後、株価の5%以上の下落傾向は77%の確率で、通常は40日の間に発生する。
* パニック売りの確率は41%、主要銘柄は24%の確率で暴落する。
* ヒンデンブルグオーメンの発生によって必ず株式暴落が発生するわけではないが、1985年以降、NYSE株価暴落に先行して必ずヒンデンブルグオーメン が確認されている。
=====≪unquote≫

=====≪quote≫
(注)マクレラン・オシレーター
* マクレラン・オシレーターは、Sherman & Marian McClellanによって考案され、騰落統計数の平滑化された差に基づくモメンタム系の指標で、詳しい内容は彼らの著書“Patterns for Profit”に記載あります。
* 使い方は「MACD」と同じです。通常は、株市場の一部の株が上昇傾向にある場合は、強気市場が弱まっていることを示し、逆の場合は弱気市場が反転する可能性を秘めていることを示します。

【売買ポイント】
* 価格と指標とが大きく離れた状態が続いている場合には相場の行き過ぎを意味し、転換点が近いことを予想します。
≪買いシグナル≫:オシレーターがマイナスからプラスエリアに上昇した時、価格が底にあり、指標が上昇トレンド中の押し目にある場合
≪売りシグナル≫:オシレーターがプラスからマイナスエリアに下降した時、価格が天井にあり、指標が下降トレンド中の戻し目にある場合
=====≪unquote≫

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