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2010年6月

2010年6月30日 (水)

【有志国際マクロ経済勉強会】顔合わせ

 2010年4月13日(火曜)に行った、「2010年 情報通信産業の潮流と展望 浮揚のための次の一手~グローバリズムの本質とマクロ経済・金融問題を絡め、抜本的な解決策を提言~」なるタイトルの講演出席者(ある企業の社長さん)から、もっと詳細を聞きたいという話が出ました。

 そこで本日6月30日(水)に、あるところで打合せをもちました。
 結果、喜んでそれをお受けすることになりました。年末まで、数回の勉強会を開催するというイメージです。

 出席者として、企業のトップ(社長)や経営幹部、あるいは公認会計士、証券会社勤務の方(エコノミスト?)らに加え、政治家(自民党)の方もいらっしゃるということでした。

 ご関心事のキーワードとして、次のようなものがあがりました。
* マクロ経済(財政問題と金融問題)、財政破綻、金融緩和
* グローバル経営、企業や産業の海外進出、多国籍企業の動向
* 欧米のサブプライムローン問題、金融危機後の債権問題、米ドルやユーロまたは人民元などの為替問題、各国の国際収支問題
* 情報通信産業の展望、規制緩和、競争・・・・・

 そこでとりあえず、「有志国際マクロ経済勉強会」といったようなもので、数回の勉強内容の割り振りを行おうと思いました。

 ご熱心な方は、少なからず、まだまだいらっしゃるのだな、という感想を持ちました。
 この種の場は、聞き手がいれば、当方も一層勉強するようになりますので、大変よい刺激になるものです。

 

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2010年6月11日 (金)

【JRI内マクロ勉強会】金融経済と実体経済、そしてグローバリズムとナショナリズム

 本日、社内で「JRI内マクロ勉強会」を実施しました。
 勉強会後、Q&Aの一部を抜粋し、備忘録としておきたいと思います。

=====≪quote≫
○○さん
新保です。

 返信が遅れました。
 先日の勉強会では、○○さんの参加もあって、やりがい度合いがちょっこし(ゲゲゲ風)上がりました。
 また次のような質問が来て、さらに上がりましたよ。(^-^)

> 自身のケインズへの認識にも変化が出てきたので、
> まとまったところでディスカッションさせていただく機会を頂ければと
> 勝手ながら思っております。

⇒ いつでもいいですよ。いつもドアを開けている3階の部屋にいますので、遊びに来て下さい。

 勉強会でもやりますので、関連したことを一言だけ。

 「主流派経済学により、ヒュームは誤解され、ハミルトンは忘れ去られ、ヘーゲルは無視され、リストは軽んじられ、マーシャルは裏切られ、ケインズ、ロビンソン、ミュルダール、クズネッツは悪用されたまま」です。
(出所)中野剛志(現役の経産省若手官僚)『国力論:経済ナショナリズムの系譜』(2008年5月)

> ただ、この記述に基づけば金融資本家の地位は、産業革命以降の社会では、
> 下がるべきであると解釈しますが、現実は上の通り逆になっていると思います。
> この矛盾について、どうお考えでしょうか。

⇒ 興味深い点ですね。
 ケインズも『一般理論』でこのこと(「経営」と「所有」の分離がもたらす投機筋による弊害など)を触れています。上記『国力論』でも強調しています。

 金融経済は、概ね実体経済(世界の国内総生産GDPは約50兆ドル≒5,000兆円)の2倍程度が健全なとことだろうと思います。産業革命で実体経済(実のある国富)は大きくなりました。しかしながら、金融資本家の勢力が高まるなか、金融デリバティブを含む金融経済(虚の国富:大半の国民には無関係な一部の人々のみの富)の規模6京円(=5,000兆円×12)ほどになりました。負債レバレッジによるものが大半です。明らかに異常ですね。

 では、この矛盾はどう考えるべきか?
 金融資本家の関心は、自身の資本の最大化のみ。従って、当該国の法律・制度や国民の利益などはどうでもいいのです。しかも、ボーダーレス(≒グローバル)で最大化を狙えるパラダイムを構築する。これが彼らにとっては重要。

 実体経済を担う国(政府や政府系金融機関ら)を超えて動く、世界を股にかけたデリバティブ金融経済を担う金融資本家。この2つの経済主体が目指す目的・意図(原因)が異なるのですから、当然その結果は矛盾を来たします。

> 私見では、産業革命以前の中世の資本による直接的な支配体制から、
> 近代では、資本家の国家中枢へのアクセスによる制度を通じた支配体制に
> 変化しているのでは、と推測しています。

⇒ 同感です。このように考えられる研究員は、○○にも殆どいないと思います。
 この大きな構図を理解できることが、とても重要だと思います。

> この問題の背後に潜む一部の資本家の支配体制が、
> 近代に入ってもなお続いている現状では、日本はよりしたたかな
> 戦略を持って臨むことが必要だとつくづく感じます。
> 石油、希少鉱物資源、金融を持って支配されてきた世の中が
> 新たなエネルギー源の登場で崩される可能性があるのでは最近感じています。
> 正しい認識こそが、戦略を立てる第一歩かとも思う中、本質を模索する日々です。

⇒ 「石油、希少鉱物資源、金融を持って支配されてきた世の中」とは、まさに「グローバリズム」が如何なく発揮された現状でしょう。そして言い換えると、それは同時に「資源ナショナリズム」や「金融ナショナリズム」の追求にある世界なのです。

 今の動きには、G7やG2といった米国中心の覇権体制から、BRICsやABRICs(最初の「A」はASEAN)などに代表されるG20体制が牽引しようとする様が見られます。
 つまり、各国の思惑が交差する「ナショナリズム」です。

 ただ、「本来のナショナリズムの意味」は、誤解され、忘れ去られ、無視され、軽んじられ、裏切られ、悪用されたままであることを知ることが、次の理解の一歩として求められているところだと思います。

 取り急ぎご返信まで。
=====≪unquote≫

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2010年6月 9日 (水)

【JRI内マクロ勉強会】金融経済と実体経済、そしてグローバリズムとナショナリズム

 本日、社内で「JRI内マクロ勉強会」を実施しました。
 勉強会後の、Q&Aの一部を抜粋し、備忘録としておきたいと思います。

=====≪quote≫
○○さん
新保です。

 返信が遅れました。
 勉強会では、○○さんの参加もあって、やりがい度合いがちょっこし(ゲゲゲ風)上がりました。
 また次のような質問が来て、さらに上がりましたよ。(^-^)

> 自身のケインズへの認識にも変化が出てきたので、
> まとまったところでディスカッションさせていただく機会を頂ければと
> 勝手ながら思っております。

⇒ いつでもいいですよ。いつもドアを開けている3階の部屋にいますので、遊びに来て下さい。

 勉強会でもやりますので、関連したことを一言だけ。

 「主流派経済学により、ヒュームは誤解され、ハミルトンは忘れ去られ、ヘーゲルは無視され、リストは軽んじられ、マーシャルは裏切られ、ケインズ、ロビンソン、ミュルダール、クズネッツは悪用されたまま」です。
(出所)中野剛志(現役の経産省若手官僚)『国力論:経済ナショナリズムの系譜』(2008年5月)

> ただ、この記述に基づけば金融資本家の地位は、産業革命以降の社会では、
> 下がるべきであると解釈しますが、現実は上の通り逆になっていると思います。
> この矛盾について、どうお考えでしょうか。

⇒ 興味深い点ですね。
 ケインズも『一般理論』でこのこと(「経営」と「所有」の分離がもたらす投機筋による弊害など)を触れています。上記『国力論』でも強調しています。

 金融経済は、概ね実体経済(世界の国内総生産GDPは約50兆ドル≒5,000兆円)の2倍程度が健全なとことだろうと思います。産業革命で実体経済(実のある国富)は大きくなりました。しかしながら、金融資本家の勢力が高まるなか、金融デリバティブを含む金融経済(虚の国富:大半の国民には無関係な一部の人々のみの富)の規模6京円(=5,000兆円×12)ほどになりました。負債レバレッジによるものが大半です。明らかに異常ですね。

 では、この矛盾はどう考えるべきか?
 金融資本家の関心は、自身の資本の最大化のみ。従って、当該国の法律・制度や国民の利益などはどうでもいいのです。しかも、ボーダーレス(≒グローバル)で最大化を狙えるパラダイムを構築する。これが彼らにとっては重要。

 実体経済を担う国(政府や政府系金融機関ら)を超えて動く、世界を股にかけたデリバティブ金融経済を担う金融資本家。この2つの経済主体が目指す目的・意図(原因)が異なるのですから、当然その結果は矛盾を来たします。

> 私見では、産業革命以前の中世の資本による直接的な支配体制から、
> 近代では、資本家の国家中枢へのアクセスによる制度を通じた支配体制に
> 変化しているのでは、と推測しています。

⇒ 同感です。このように考えられる研究員は、○○にも殆どいないと思います。
 この大きな構図を理解できることが、とても重要だと思います。

> この問題の背後に潜む一部の資本家の支配体制が、
> 近代に入ってもなお続いている現状では、日本はよりしたたかな
> 戦略を持って臨むことが必要だとつくづく感じます。
> 石油、希少鉱物資源、金融を持って支配されてきた世の中が
> 新たなエネルギー源の登場で崩される可能性があるのでは最近感じています。
> 正しい認識こそが、戦略を立てる第一歩かとも思う中、本質を模索する日々です。

⇒ 「石油、希少鉱物資源、金融を持って支配されてきた世の中」とは、まさに「グローバリズム」が如何なく発揮された現状でしょう。そして言い換えると、それは同時に「資源ナショナリズム」や「金融ナショナリズム」の追求にある世界なのです。

 今の動きには、G7やG2といった米国中心の覇権体制から、BRICsやABRICs(最初の「A」はASEAN)などに代表されるG20体制が牽引しようとする様が見られます。
 つまり、各国の思惑が交差する「ナショナリズム」です。

 ただ、「本来のナショナリズムの意味」は、誤解され、忘れ去られ、無視され、軽んじられ、裏切られ、悪用されたままであることを知ることが、次の理解の一歩として求められているところだと思います。

 取り急ぎご返信まで。
=====≪unquote≫

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