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2010年4月

2010年4月19日 (月)

【講演】「2010年 情報通信産業の潮流と展望 浮揚のための次の一手」の補足

 先週(2010年4月10日)行った、ある講演に関するレジュメ(項目のみ)を貼っておきます。
 当日は、通信会社、総合電機、総合商社、広告代理店、政府系投資銀行、外国政府(北欧)などから経営幹部(代表取締役社長、事業本部長、部長ら)の皆さんがお集まりになりました。
 計200分(Q&A含む)の長丁場でしたが、壇上から拝見するに、皆さんのとてもご熱心な様子が伝わって来ました。

【主なQ&A】

≪Q1≫原口総務大臣らによる、将来(2015年?)の名目GDPの150兆円アップ見通し(現約500兆円から650兆円)、うちICT産業が70兆円とする見方について、どのようにお考えか?

⇒ 自民党政権時に加え、現民主党政権においても、決定的に欠如しているものがあります。それは、マクロ経済の基礎的な視点
 ICT産業がいくら頑張っても、経済成長が大きく増大する訳ではありません。現在は、民間企業にとって、国内に有望な投資案件を見出せない(つまり、一定のリターンが得られない)ため、民間投資が不十分となり、所得も増えず消費にもつながりません。

 デフレ不況下にあっては、総需要<総供給の状態ですので、ある意味当然なのです。不足しているのは総需要の方です。従って、例えば、ICT産業インフラをいくら拡充してもそれは供給過多の状況をさらに高めるだけです。
 では供給過多と言って、これまでの折角の有効な設備資本や人材・人員を削減してしまうことはご法度です。このような考え方をするエコノミストや経済学者が多いのは、困ったことです。世界の非常識です。投資したインフラた設備などを活かすことが重要。有効設備資本と有効な人材要素は、経済復権の原資です。そのためには、総需要を喚起すること。

 方法は、民間が投資しにくいデフレ不況下では、政府が有効な投資をすることがポイントです。戦略産業や戦略分野に政府が投資(社会資本形成)することで、つまり、そこにお金が流れることで、需要が増大します。どこが有効な分野であるかは、お話しした通り(下述の項目)です。
 そうなって初めて、ICT産業の市場規模の拡大も見込めるのです。



=====≪quote≫
■2010年情報通信産業の潮流と展望浮揚のための次の一手
(新保豊、2010年4月10日)

はじめに
 本講演では、最近のトピック(国の政策動向、国内外の情報通信産業の市場動向、通信・放送の融合や新たなメディアの動向)を例に挙げながら、なぜ日本企業が競争力を落としているのか、今後の打ち手はどうあるべきかなどを、マクロ経済やグローバル金融などの視点と結びつけた分析・綜合化を行いつつ、情報通信産業の浮揚のための打ち手を展望。

 日頃の経営コンサルティング現場や政策提言(競争政策やマクロ経済など)の視点から、問題の核心と今後の見通しなどについて解説を試みます。


講演内容の構成

【1】国の政策動向

■動き出した新政権のICT関連の政策
▼総務省の政策を決定する"チーム原口"の構成
▼過去の審議会、研究会と一線を画するICTタスクフォースの運営体制
▼日本と欧米各国の通信・放送行政の比較
▼「地球温暖化問題に関する閣僚委員会タスクフォース会合」(2009年10月)
■郵政の次はNTT:再統合へネジ巻く政官業の腹づもり
■「原口ビジョン」(2009年12月22日発表)の概要
■原口総務相“光の道”構想(2010年3月発表)
▼総務省:携帯電話のSIMのあり方に関する公開ヒアリング(2010年4月2日)
■菅財務相:積極財政を数年継続=財政再建は「その後」に
■危うい鳩山政権「5原則」
≪参考≫憲法改正試案の中間報告
■「国際協調及び平和主義」「安全保障」の条項について

【2】国内外の情報通信産業の市場動向

■グローバル化を通じた“勝ち組・負け組”も金融危機後は総崩れ
▼金融危機後の主要電機各社リストラ計画により日本経済のデフレギャップがさらに増大
■ウィルコム再生支援に関する基本合意内容
■「クラウド」:通信キャリアが提供することの見方
▼「クラウド」:海外事業者と比べて考えられる問題
▼「クラウド」:端末とネットワークの役割分担はうまく図れているか
▼「クラウド」:取り組む方向性についての評価
≪参考≫「クラウド」:利用企業が注意すべきポイント
≪参考≫「クラウド」:国内データセンターの国際競争力に関する状況
■中国:インターネット関連サービスのユーザー数推移は急増
▼中国:インターネット関連やオンライン広告は急増
▼中国:地方の消費者購買力も7,000ドル(per capita GDP)近くまで高まる
▼中国:“中流”コア購買層は6億人を超える(リッチ層も5,500万人)
■侮れぬ中国「OPhone」の深謀

【3】通信・放送の融合や新たなメディアの動向

■広告費に見るインターネットとマスメディアの明暗
≪参考≫新聞の発行部数の推移
▼米国と日本における新聞発行部数の比較・ランキング
≪参考≫米国The Huffington Post(創業4年のオンライン新聞)の躍進
≪参考≫News Corporationグループに見るグローバル市場での独占・寡占化
■電子書籍「Kindle」と「iPad」に関する最近の動き
▼各社の電子書籍端末比較
▼「電子書籍」に関する最近の議論
■「ホワイトスペース」:放送電波のすき間に眠る「埋蔵金」
■「マスメディア集中排除原則」の緩和(集中化)へ
■米YouTube社およびHulu社のコスト構造分析
■メディア2.0市場の位置づけ
≪参考≫メディア内の主体構造の変化
■オルタナティブメディアへの変遷
▼シナリオ別のマスメディアのゆくえ
■P2P技術の本質に横たわる著作権問題
▼「P2P型インターネットテレビ」がもたらす社会・経済的なインパクト
≪参考≫「キーホールTV」サービスのイメージ
■「地デジ」化の思惑と「P2P型インターネットテレビ」の可能性
≪参考≫ネット上の“パノプティコン”が生権力(バイオパワー)支配
■「中国 vs Google」の戦いから見えるものとは?

【4】グローバリズムの本質とマクロ経済・金融問題

■「年次改革要望書」とは何か?
≪参考≫「CHANGE」?されたオバマ政権の主要閣僚・顧問らの顔ぶれ
■内外主要ファンドの一覧
▼「ファンドの貪欲」
■金融ビッグバンによる資金流出(日本経済に使われなかったマネー)
▼信用創造量と名目GDP伸び率の関係
▼日米の金融政策比較
▼クレジットデリバティブのメカニズムと証券レバレッジによる新型の信用創造
≪参考≫世界の流動性
■巨大複合金融機関LCFIとのその役割とスキーム(Ponzi scheme)
▼世界の銀行の総資産の大きさに見る世界覇権(金融経済)の動き
≪参考≫世界の巨大銀行(25行)の2009年の総資産
▼米GDPに占めるFRB総資産の急増ぶりに見る国家破綻への兆し
≪参考≫米国の債務残高:99兆ドル(債務比率700%)を超えている!?
≪参考≫国家破産の方法(John Maynard Keynes)
■“政治覇権国・金融帝国”化とグローバル構造下における投資と消費のメカニズム
▼中国の輸出競争力の背景には「人民元安」があったが早晩切り上がる
≪参考≫為替レートのあるべき調整と現状
■主要国GDP比較に見る日本の経済成長の低迷さは異様
≪参考≫債務残高の対GDP比による国際比較の誤解
≪参考≫日本の新規財源債発行額(年間)とその残高および長期金利の推移
■部門別の資金過不足推移と日本経済の低迷と水準維持のメカニズム

【第1の方法:国債発行】世界のGDPに占める日本の存在感と財政出動
▼日本経済に「デフレギャップ」は殆ど存在しない!?
≪参考≫GNPギャップ(デフレギャップ)の定義
≪参考≫日経新聞における潜在成長率の定義
≪参考≫内閣府モデルによるデフレーター予測値と実際値との乖離
≪参考≫ケインズの乗数効果を考える
▼真のデフレギャップの規模
▼GDP=「乗数効果」×「有効需要支出」ゆえデフレ下では「社会インフラ投資」が有効
≪参考≫「日経NEEDS」モデルによる大規模な財政拡大シミュレーション
≪参考≫主要国の国税収入全体に占める消費税の割合
≪参考≫「税収の対GDP弾性値」は大きいため借金返済ペースの方が速い

【第2の方法:日銀の国債直接引受】日銀からの国庫納付金を通じた実質的な無利子国債発行による財源調達
▼危機下で学ぶべき高橋是清の教訓:財政危機の「出口」戦略描け

【第3の方法:政府紙幣発行】即効性のある景気対策と年率10%の経済成長
▼スティグリッツによる「政府紙幣」発行の提案
≪参考≫中国の地方政府で相次ぐ「消費券」の発行

【5】情報通信産業の浮揚のための打ち手

■「グローバル・トップワン」が本当に必要か?
■総務省「デジタル日本創生プロジェクト(ICT鳩山プラン)」骨子
▼デフレギャップ(真の財源)利用した経済対策と劇的な効果
▼ ICT産業が採るべき未来の発展パターンと「飛躍の10年」
▼「ミクロ」に固執し「マクロ」の視点を欠いた日本の不思議
≪参考≫大深度地下利用による「社会インフラ資本」形成(生産力を生まない投資)
■社会インフラ整備を通じた関連サービスが今後のフロンティア
▼今後の需要喚起が期待されるのは「社会ニーズ」を満たす分野

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2010年4月12日 (月)

【講演】2010年 情報通信産業の潮流と展望 浮揚のための次の一手

 明日(2010年4月13日火曜)の午後、あるところで情報通信産業を例に、グローバルな観点およびマクロの観点から見た、わが国における経営課題および経済課題に関するお話しを致します。

 これまでの情報通信産業をミクロの視点のみで“分析”するというよりは、様々なドライバー要因(政治・経済、環境・エネルギー問題、金融問題)を加味した上で、それら全体を“綜合”化することを試みます。
 そのことにより、本質的・核心的なことが、浮かび上がって来るのです。

 これまでのアカデミズムやシンクタンクなどのアナリストやエコノミストの皆さんの分析アプローチとは、少々異なる視点を提供したいと思います。

=====≪quote≫
■2010年 情報通信産業の潮流と展望 浮揚のための次の一手
~グローバリズムの本質とマクロ経済・金融問題を絡め、抜本的な解決策を提言~
http://www.ssk21.co.jp/seminar/S_10136.html

◇開催日時  :2010年4月13日(火)午後1時30分~午後5時
◇会場     :SSK(新社会システム総合研究所) セミナールーム
         東京都港区西新橋2-1-1 (03)5532-8850 

●重点講義内容
(株)日本総合研究所 理事・主席研究員
(通信メディア・ハイテク戦略クラスター長兼務)

新保 豊 (しんぼ ゆたか)氏 
 本講演では、最近のトピック(国の政策動向、国内外の情報通信産業の市場動向、通信・放送の融合や新たなメディアの動向)を例に挙げながら、なぜ日本企業が競争力を落としているのか、今後の打ち手はどうあるべきかなどを、マクロ経済やグローバル金融などの視点と結びつけた分析を行いつつ、情報通信産業の浮揚のための打ち手を展望。日頃の経営コンサルティング現場や政策提言(競争政策やマクロ経済など)の視点から、問題の核心と今後の見通しなどについて解説を試みます。

1.国の政策動向
  (景気変動と情報化投資、縮小均衡に陥りつつある日本の情報通信産業、
    NTT組織改編問題、光アクセス網の行方、ホワイトスペース、利活用を進める
  には?民主党のICT政策、危ういチーム原口?など)

2.国内外の情報通信産業の市場動向
  (ネットブックが拓く「垂直統合」、侮れぬ中国「OPhone」などの
    コンシューマー向け、クラウドコンピューティング、データセンターなどの
    法人向け、再び本格化する海外進出、拡大するAndroid経済圏)

3.通信・放送の融合や新たなメディアの動向
  (マスメディアとインターネットとの攻防、映像配信、マス排とローカル局再編、
  メディアの本質、Twitter等ソーシャルメディアなどの新メディアの胎動、
  電子書籍〔Kindle、iPadなど〕の広がりと可能性)

4.グローバリズムの本質とマクロ経済・金融問題
  (中国問題を含むグローバリズムとマクロ経済環境、経済も浮揚もせず
    国際競争力も落ちる要因・課題、抜本的な解決策としての現状再認識)

5.情報通信産業の浮揚のための打ち手
  (経済と情報通信産業を簡単に浮揚させるための方策)

6.質疑応答/名刺交換

=====≪unquote≫

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