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2009年4月

2009年4月17日 (金)

【社外レクチャー】CIAJの皆さんとマクロ経済と金融問題の勉強

20080610ciaj  CIAJ(情報通信ネットワーク産業協会)の皆さんからのご依頼により、CAIJ本部(東京都港区浜松町)にて、「情報通信業界を取り巻く現状・課題および将来展望」と題するレクチャーを、2時間弱、差し上げて来ました。

 CIAJの皆さん、当日はお招き有り難うございました。

 当日の資料のうち、各ページのタイトルのみ、ここにバックデートで抜粋しておきます。
 レクチャーのタイトルでは「情報通信業界の・・・」とありますが、この産業を題材として、実質は世界(グローバル)と日本のマクロ経済と金融問題を扱いました。

 この内容を2時間程度できちんと理解することは、基本的な知識や関連の素養がなければ、かなり難しいと推察致しましたが、どうにかポイントだけでもお伝えできたのではないかと思います。(^-^)


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■「情報通信業界を取り巻く現状・課題および将来展望」~金融不況にどう対処すべきか
 2009年4月17日 新保豊(JRI 日本総合研究所 理事・主席研究員)

≪講演内容の構成≫

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【1】情報通信業界を取り巻くマクロ経済環境の現状
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◆グローバル化を通じた“勝ち組・負け組”も金融危機後は総崩れ
◆金融危機後の主要電機メーカーの円高の影響が利益を吹き飛ばす
◆ITバブル後と金融危機後における電機業界の営業利益の激減
◆金融危機後の主要電機各社リストラ計画により日本経済のデフレギャップがさらに増大
◆日中貿易額は毎年増大傾向にあり米国よりも存在感大
◆日本における対中輸出・輸入品目の推移に見られる産業空洞化
≪参考≫貿易と比較優位〔不均等のメカニズム〕
◆変動相場制下の適正為替レートが比較優位=国際分業を機能させる
≪参考≫為替レートのあるべき調整と現状
◆“政治覇権国・金融帝国”化とグローバル構造下における投資と消費のメカニズム
≪参考≫グローバル経済圏企業とドメスティック経済圏企業の1人当たり実質GDP(付加価値)

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【2】経済も浮揚もせず国際競争力も落ちる要因・課題
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◆「ICT国際競争力会議」での“最終的なゴール”についてあらためて考える
◆最終的なゴール
◆経済成長(景気回復)のメカニズム
◆「CHANGE]されるオバマ政権の主要閣僚・顧問らの顔ぶれ
◆「年次改革要望書」とは何か?
◆オバマ政権への期待、その幻想と真意を知る
◆『年次改革要望書』に見るオバマ政権の意志
◆内外主要ファンドの一覧
◆「ファンドの貪欲」
◆国際会計基準と資金流出
◆GDPの成長が必要な理由

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【3】抜本的な解決策としての現状再認識
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◆信用創造量と名目GDP伸び率の関係
≪参考≫マネーの流通速度
≪参考≫日米の金融政策比較
≪参考≫民間需要(C+I+NX)と公的需要(政府支出G)
≪参考≫日銀窓口指導とカルテルの効果
◆財政刺激策の2パターン(国債発行型、銀行借入型)
◆景気回復(経済成長)のためのもっとシンプルな方法
◆米ダウ平均株価の長期上昇トレンドのなか最近の株価下落はどこまで進むのか?
◆外国人投資家の売買行為により日経平均株価は十分影響を受ける
◆クレジットデリバティブ(CDSの例)のメカニズムとはどのようなものか?
◆巨大複合金融機関LCFIとのその役割とスキーム(Ponzi scheme)
◆世界の銀行の総資産の大きさに見る世界覇権(金融経済)の動き
◆驚くべき最近の米国連邦準備銀行(FRB)の資産推移!
≪参考≫米国連邦準備銀行(FRB)のバランスシートは大丈夫か?
≪参考≫国家破産の方法(John Maynard Keynes)

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【4】経済と情報通信産業を簡単に浮揚させるための方策(奥の手)
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◆個人金融資産1,500兆円は有名無実化!
◆政府による通貨発行権(政府紙幣)への提案または実績
◆日本経済に「デフレギャップ」は殆ど存在しない!?
≪参考≫日本経済は極めて優秀(生産性寄与と在庫変動額比率)
◆真の「デフレギャップ」の算定ステップとのその結果
◆政府貨幣による即効性のある景気対策と年率10%の経済成長
≪参考≫明治初期の太政官札(政府紙幣)の発行でもインフレにならなかった
≪参考≫中国の地方政府で相次ぐ「消費券」の発行
◆有効デフレギャップの概算
◆主要国GDP比較に見る日本の経済成長の低迷さは異様
◆有効蓄積デフレギャップ(真の財源)利用した経済対策と劇的な効果
≪参考≫総務省「デジタル日本創生プロジェクト(ICT鳩山プラン)」骨子
≪参考≫「グローバル・トップワン」が本当に必要か?
◆ICT産業が採るべき未来の発展パターンと「飛躍の10年」

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≪参考≫激変する情報通信産業を理解するための予備(核心的な)知識やその学習について
≪参考書籍・映像≫「経営や経済・金融に潜む重要なこと」を知るための推薦書籍
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2009年4月 7日 (火)

【マスコミ向け】“慈善団体国家”に求められるトランス・グローバルな見方・考え方

20090407_4  先日(2009年4月)に、弊社ブランド広報室から依頼があり、簡単な原稿を書きました。主にマスコミの記者向けの媒体に掲載するものです。弊社では昨年から、「次世代の国づくり」という標語のもと、様々な情報発信活動を対外向けに行っています。
20090407jri
 バックデートで、当Blogに再掲しておきます。

 私の主張は、同標語には適ったものだと思いますが、恐らく関係部署(経済や金融、環境・エネルギー問題を扱っている部門やチーム)での見方とは、ちょいと(?)違ったものになっているのではないかと思います。

 ただ私は、同じ会社の仲間の間にあって、たとえ見方・考えが異なっていても、お互い正論と考えることを表明しておくことが大事だと思います。
 その過程があってこそ、より核心を突く価値ある論考に発展、そして、実効性のある政策やアクションにつながっていくものと考えますので・・・(^-^)


=====≪quote≫

“慈善団体国家”に求められるトランス・グローバルな見方・考え方
 新保豊 (『日本総研ニュースレター』2009年5月号 第10号)

 なぜ経済はもっと上向かないのか。富は流出するばかりで、この国は本気で国益を追求する気配がない。その上、今般の金融危機はわが国の不調な実体経済をさらに悪化させている。戦後最大の国難に直面しているのだ。国難(国益の毀損)を招いている、主だった見方(誤認事項)を4つ挙げてみよう。

【1】経済は市場に委ねておけばよいとする新古典派経済学的な見方(主流派)

 デフレ状況を脱し健全な経済成長を遂げるには、市場機能がもっと働くようにと構造改革の号令をかける。しかし、対GDPの在庫変動額比率は過去20年間0.3~0.6%であり、企業部門は需要変動に応じ極めて敏速に商品を供給している。日本市場は既に十分機能しているどころか、外国に比べ極めて優秀でさえあるのだ。

 問題はそこにはなくマネーの総量にある。今着手すべきことは、年数百兆円(公表されるような僅か20兆円ほどではない)にも及ぶ膨大なデフレギャップを活かし、日銀に負債を持つ必要のない、新たなマネーを創り投入(現行法で可能な政府貨幣を発行)することだ。同ギャップ(=真の財源)があるためインフレにはなりようがない。総需要が拡大しさえすれば、高度な資本設備をもち優秀な労働力を抱える日本企業はみな復活する。

【2】生産性向上を経済成長の最後の切り札とするサプライサイド派(新古典派の一種)の考え方

 資本設備と労働力が余剰であるため、経済成長はしないと決め付け、第3の要素として生産性を持ち出す。特に労働生産性〔=付加価値÷労働投入量〕が低いことが経済成長を阻んでいると見る。

 デフレ(総需要不足)で売上高が減少するなか、株主資本主義(グローバリズム)のもと株主配当を高める一方、人件費を下げざるを得ない(購買力が落ちる)ため、つまり付加価値(≒営業利益+人件費+減価償却費)が下がるために生産性が低いことになる。

 原因はデフレそのものであり、生産性が低いからでは必ずしもない。従って、生産性が低く企業価値がないからといって“ゾンビ企業”と決め付け市場退出を迫ることはおかしい。退出させるべきは、かの国で公的資金を注入されるゾンビ銀行群ではないのか。

【3】欧米諸国のような金融立国を目指そうとする方向感

 今なお金融立国論は根強い。銀行による過度の信用創造(融資)に加え、インデックス化できるものをことごとく証券化し、その担保掛け目(証券種により異なる融資額率)を利用した新型のレバレッジ信用創造(デリバティブマネーの創出)が、世界の金融危機を招いたことの反省に欠ける。日本の現金融機関は「世界の序列」の脇役(仕掛けられる側)に過ぎず、金融立国など幻想に過ぎない。

 むしろ現在はドルに代わる次代の通貨を巡る戦争が起きているのだから、この戦争で負けないよう(円建てやドル建ての資産が減らないよう)臨むことが重要だ。

【4】CO2地球温暖化犯人説を疑おうともしない姿勢

 2050年までの温暖化ガス削減のため、5,000兆円もの大金を使うなど正気の沙汰ではない。過度な金融活動に規制を設けるだけで、“懸念”される経済的損失(最大で世界のGDPの2割)を埋め合わせてお釣りが来る。

 CO2の量は温暖化ガス全体の僅か0.04%程度に過ぎず、しかも人為的なCO2排出量はうち3%に過ぎない。気温上昇後CO2が増大する明瞭なデータがあるにもかかわらず、因果関係を逆にしてCO2が気温上昇の主因だとするグローバルな喧伝事は、大半の科学者からは疑問視されている。

 効率的な経済を他国に先駆けて実現している日本が1990年基準で排出権取引することで、わが国の資金が一方的に出て行くだけ(経済の縮小)となる。しかもCO2地中化により地震誘発とそれによる原発災害の可能性もある。海外へマネーをばら撒く“慈善団体国家”を今後も標榜していくなら話は別だが、利益追求(マネー獲得)と安全保障という2大“国益”(世界の常識)には見合わない。

■事象に対する捉え方・見方を磨く

 こうした“国益”を損なう誤認事項を導く考え方には、〔A〕物事を専門別に分割・細分化して捉える、〔B〕思考が演繹的で思い込みが強い(事実よりも理論・モデルや権威を重視)、〔C〕世界には序列があることを理解していない(下位とみなされている国や人々には核心的な情報は伝わらない)、のような特徴がある。

 国難に立ち向かうには、これまでのグローバル標準に迎合することではなく、それを超えた(トランス・グローバルな)捉え方・見方が不可欠だろう。換言すれば(自戒の念を込め)、世の中で起こる事象とその背景についての分析・洞察力を磨くことに他ならない。

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