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2008年7月 1日 (火)

【雑誌掲載】新型iPhoneの販売台数予測

20080701  先日(2008年6月16日)に日経BP社の記者お二人が来社した際に、そのインタビューに応えた記事が掲載されましたので、それのみ抜粋します。

 主に、新型iPhoneに関しての販売台数見通しについて、補足しておきたいと思います。

 マイナーなことですが文中に2箇所、【加筆】しました。

(青の太字下線は、私が付しました。画像は、日経BP社によるもの。)

=====≪quote≫
■【リポート】「新型iPhoneが日本上陸,アップルは事業モデルを転換」(販売奨励金を採用,コンテンツ販売からも収益)
(日経BP社『日経コミュニケーション』(2008年7月1日号)

http://itpro.nikkeibp.co.jp/NCC/magazine/index.shtml

                       (略)
◆“親指入力”が可能、企業用途も
                       (略)
◆プラットフォーム事業に重点
                       (略)
◆“プッシュ型”の通知システムを開発
                       (略)
◆「年間120万台以上」という試算も
                       (略)

 日本総合研究所の新保豊理事・主席研究員は年間販売台数が85万~100万台と見積もる。ソフトバンクの契約数は約1,900万人で、買い替えサイクルを2年として少なめに見積もると年間販売台数は850万台。
 そのうちiPhoneを使いたい人が10%なら85万台、12%では100万台という試算だ。

                       (略)

≪囲みインタビュー記事≫
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●国内ではiPhoneの商品性に疑問
 乾牧夫 UBS証券 マネージングディレクター
 UBSインベストメント・リサーチ株式調査部
 シニアアナリスト
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●120万台のヒット商品になる
 山科拓
 日興シティグループ証券
 株式調査部ディレクター
============================================
●メイン機種の買い替え需要に照準
 増野大作 野村證券 金融経済研究所
 企業調査部 情報通信産業調査室長
 主席研究員
============================================
●携帯電話のオープン化を推進する
 武田智和
 アクセンチュア 通信・ハイテク本部
 通信統括エグゼクティブ・パートナー
============================================
●携帯事業者が世界に出る契機に
 新保  豊
 日本総合研究所
 理事・主席研究員

 世界市場でも、ネット経由でコンテンツを利用できる高性能機を求める層が増えつつある。iPhoneには、その動きを加速させる期待がある。これは日本の事業者にとってチャンスだ。
 国内メーカーが得意とする小型の高機能端末と、サービス提供を含めた垂直統合型サービスが、今こそ世界に求められている。
 日本の携帯電話は“ガラパゴス化”しているという声もあるが、たまたまスケールメリットが出ていなかったという考え方もある。
============================================
●iPhone世界販売1位を狙う可能性も
 北俊一 野村総合研究所 コンサルティング事業本部
 情報・通信コンサルティング部
 上級コンサルタント グループマネージャー
============================================
(略)

=====≪unquote≫

■私の見方:
(ビジネスパーソンも知っておきたいマクロ経済学的な視点)

①まず、イー・モバイルの「EM」の最近の月間販売台数が約4~5万台年間ベースで60万台程度のようです(出所:インターネット上で得られる公開データ)。

②同様に、世界のiPodの販売台数が、2004年のみで約800万台。2001年11月~2007年3月までで同約1億台のようです。ちなみに、2005年1月時点の1GBモデルiPodの価格は16,980円だったようです。

③一方、iPodが分類される「デジタルオーディオ」では、販売開始から2年目で約200万台だそうだ。

④ここで、2007年3月の日本でのiPodの市場シェアは64%の模様。競合他社も奮闘しており、i-Podの独占状態から次第にシェアが落ちてきました。通例の市場競争によるトレンドと言ってよいでしょう。
 同市場が成熟期に近づきつつある2005年末~06年での、日本における「デジタルオーディオ」市場(計800万台)で、iPodのシェアを50%程度とみなせば約400万台

⑤つまり、最大400万台ほどのiPodユーザーが、今般の「新型iPhone」を購入する際の有力(潜在的)ユーザーとなりましょう。

【加筆】もちろん、「新型iPhone」の場合、その潜在ユーザーは現時点の競合携帯電話契約者でしょうから、そのまま今の携帯電話会社をユーザーがスイッチするとは限りませんね。

しかし現実には、どうでしょうか“全米で600万台のベストセラー”となった「iPhone」。この数字は、本家本元のグローバル企業の携帯電話販売台数に比べれば、かなり小さい。米モトローラ社やフィンランド・ノキア社は、年5,000万~2億台を販売しているので、その12~3%程度に過ぎない。

 現時点では何とも言えませんが、この“12~3%”の数字は、「Windows対Macintosh」の時のことを連想させます。トップ企業の高々1割程度の存在感に目下、留まっています。
 最近米国での携帯電話市場のトップの座を、2位のVerizon社に明け渡した米AT&Tにすれば、期待倒れであったかも知れません。

 また、全世界の携帯電話出荷数は約11.3億台(2007年)ですので、高々0.53%(=600万÷11.3億)に過ぎません。
【加筆】比べるべきは、米国での携帯電話出荷数(推定)1.2億台(=下述の年2.4億契約÷2年間)ですので、加筆しますと、やはり高々5%(=600万÷1.2億)となります。
 もちろん、これからの躍進を期待したいところではありますが・・・

⑦ここで、米国の携帯電話契約者数は、約2.4億(2006年の人口普及率77.4%×人口3.06億人)。iPhoneユーザーの対象外となりそうな、推定プリペイド比率約12%(2005年で同11%)を差し引くと、2.1億契約。
 一方、日本のそれは、約1.0億(2006年の人口普及率79.3%×人口1.28億人)。同様に、推定プリペイド比率約2%(2005年で同2.8%)を差し引くと、0.98億契約。米国の47%となり、これが第1次の「新型iPhone」の日本ジョンでのユーザーを推定する際の割合になりえましょう。

⑧すなわち、“全米で600万台のベストセラー”が、日本でもベストセラーとなれば、単純には約280万台(=600万台×47%)となる。
 つまり、上記iPodユーザー相当の400万台を絞り込んだ結果です。

 しかし、米国と日本では競争環境が異なるため(「新型iPhone」と同様な機能やデザイン・見映えの端末は、競合他社からもさらに投入されると予想されるため)、iPodのヘビーユーザー層の半分が購入したとして年140万台。上記の山科拓氏(日興シティグループ証券)の予想値に近いものとなります。
 米国販売時の「iPhone」の価格に対し、日本に上陸した「新型iPhone」は、8GBモデルで199ドル(約2.1万円)で当時の米国の半額。従って、価格訴求力はかなり大きいと思います。

【加筆】2008年7月11日から提供開始予定の「8GBモデル(ブラック)」価格は、23,040円と発表されています。
 上記「2.1万円」との差額は、高々2,000円ほど。競合他社の携帯電話端末が5万~6万円、EMのようなスマートフォンが6万~7万円と比べ、価格帯のインパクトは依然大きいでしょう。


 先の通り、1GBモデルiPodが約1.7万円でしたので、8倍もの容量があり(音楽を聞くには十分かつその他の潜在需要を引き出せる可能性もあり)、携帯電話もできるのですから、「新型iPhone」の価格パフォーマンスは相当に大きいと思われます。
 このあたりが、iPodのユーザーの“半分”ほども潜在性があるだろうとみます根拠になるのではないかと推察されます。当たってるかな?(^-^)

⑨上記の通り、「EM」で年60万台程度ですので、その間をとって私は、年間販売台数が85万~100万台が現実的であろう(第2次潜在性)、とみなしました。

 この数値は、ソフトバンクモバイルの年間販売台数は、買換え平均年数を2年余とみなせば推定約850万台(=契約者数1,900万÷2年余)の10~12%となり、結構のインパクトになりましょう。
 この割合は、市場の初期において、つまりブレイクする前(クリティカル・マスを超える前)の値としては、現実的と言えましょう。ただ、クリティカル・マスを超えるかどうかはまた別の要素がありますので、今のところは何とも言えません。

 以上、ここでは、「新型iPhone」に関しての販売台数見通しについてのみ、ネット上で得られる関係データを使って、ごく簡単に推定してみました。

 当日のインタビューでは、概ねこうしたことを基にお話し申し上げました。ちょっと(?)追加・補足していますが・・・^^;

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