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2008年1月 7日 (月)

【掲載】2008年の通信(制度・政策編)・私はこう見る

200_2  新年明けましておめでとうございます。
(お蔭様で今回の年末年始は、南伊豆の温泉と東アジア南方で、のんびりと過して来ました。)

 昨年末に取材があった、次の雑誌の談話囲み記事がアップされていましたので、ここに記しておきたいと思います。
『日経コミュニケーション』2008年新年号の特集「2008年日本の通信」NGN元年!固定/携帯が融合し光化も加

 このうち私のものは、次の分野に関するものです(同雑誌P67):
≪制度・政策≫
◆日本の光ファイバ発展の分岐点に(NTT東西の接続料金改定、貸し出しルールの議論に決着)


 当局の現行または将来の通信政策に対して、もう少し別の視点が加わると、恐らくもっとよくなるのではないかと考えています。

=====≪quote≫
■コンサルタントの眼・2008年私はこう見る
"競争だけ"では通信市場が縮小

(『日経コミュニケーション』、2008年1月1日)
新保 豊 日本総合研究所 理事・主席研究員

 2008年は日本の機器メーカーが外資のメーカーや投資ファンドの買収対象になる危険性があるのではないか、と心配している。

 現在、機器メーカーの株価が低迷しており、時価総額は低い。日本の情報通信産業が発展するためには、機器メーカーが元気でないとダメだ。投資ファンドは日本の割安な会社を狙っており、良い技術を持っているのに時価総額が低い機器メーカーは格好のターゲットになる。例えば、携帯電話端末メーカーでシェアが小さいところなどが狙われるだろう。中国や韓国の大手メーカーにまで、日本の企業買収をもくろんでいるところがある。

 国内の機器メーカーが買収される最大の懸念は、技術とノウハウの流出だ。メーカーによる買収なら技術流出などだけで済むが、投資ファンドに買収されるとさらに厄介だ。不採算部門を切り売りされる可能性が高まる。ファンドがそうして企業価値を高めても、事業をリストラすることがメインなので、実業としては何も価値を生み出さない。日本の産業全体にはマイナスで、国益にならない。

 総務省はそういう懸念にはあまり関心がないようだが2008年以降、きちんと考えていく必要があるのではないか。通信事業者や機器メーカーの競争力が上がり、情報通信業界全体が発展できる、マクロ的な視野を持った政策が必要だと思う。

 しかし今の総務省の政策は競争一辺倒。競争さえ活性化させれば、業界は発展する、という考え方で作ったのが「新競争促進プログラム2001」だと思う。好景気の時期には、こうした競争重視の政策はうまくいくと思うが、現在のデフレ基調の時期では逆効果だ。新競争促進プログラムを進めれば進めるほど、デフレを助長するだけ。過度の競争で通信サービスなどの値下げが進むと、通信市場がどんどん小さくなる。

 そうなると設備投資も進まず機器メーカーにも影響が出る。NGNや光ファイバー、WiMAXなど新しい市場が育たない。いかに良いサービス、良い技術が出ても売れないし、市場が縮小してしまう。(談)

=====≪unquote≫

 当日は、この記事とは直接関係ない(しかし、遠因としてはとても重要な)ことも、いくらかお話ししました。2時間近い話ののうち関係のありそうな内容を、うまくまとめて頂きました。有り難うございます。

 文中、私は企業の経営「コンサルタント」として紹介されていますが(実際、本業はそうですが)、内容はむしろ「エコノミストと政策作成者」の要素が混じったものだと思います。しかし、もっと問題の核心に踏み込めば「パワーポリティクス・アナリスト」としての知見・素養も求められるのだと日頃考えています。

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