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2007年11月 2日 (金)

【一言】直下地震による被害想定でカウントされていない?要因

2007120071102   この内容はとても重要なことですので、ごく簡単に取り上げておきましょう。

(青の太字下線は、私が付しました。画像は記事とは関係ありません。)

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近畿直下地震、死者4万2000人・中央防災会議が被害想定
(NIKKEI NET、2007年11月1日)

 政府の中央防災会議の「東南海、南海地震等に関する専門調査会」(座長・土岐憲三立命館大教授)は1日、近畿・中部圏直下を震源とするマグニチュード(M)7―8級の地震の被害想定をまとめた。震源などが異なる13の地震を想定。大阪や名古屋など広い範囲で震度6強以上を観測、近畿直下型で最大約4万2,000人、中部は同約1万1,000人の死者が出ると算出した。

 近畿圏も中部圏も揺れによる犠牲者が総死者数の8割を超え、住宅の耐震化が急務と言えそうだ。調査会は近くライフラインや交通などの経済被害も算出した最終的な想定をまとめ、2008年度をめどに復旧復興対策などを盛り込んだ「地震対策大綱」を作成する方針。

 近畿圏は大阪湾沿岸部を縦断する「上町断層帯」の地震(M7.6)による被害が最大。冬の午前5時の発生(風速15メートル)で死者約4万2,000人、同正午の発生で全壊・焼失家屋約97万棟と予想。大阪市や堺市などで震度7を観測し、死者の約81%が家屋倒壊など揺れそのものが原因で亡くなるという。(18:35)

首都直下震度6強なら半年後も64万人避難所に・防災会議試算
(NIKKEI NET、2007年10月3日)

 震度6強クラスの首都直下地震が発生した場合、発生から半年が経過しても東京、千葉、埼玉、神奈川の各都県で約27万世帯、約64万人が避難所生活を余儀なくされることが2日、国の中央防災会議の試算で分かった。阪神大震災発生半年後の避難者数(約1万7500人)の約36倍に相当する。

 内閣府は「仮設住宅や応急修理した住宅だけでは足らず、各自治体と相談して民間住宅を確保しなければ」と危機感を強めている。(09:21)
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■私の見方:
(ビジネスパーソンも知っておきたいマクロ経済学的な視点)

 一般的なマスコミ報道では、上の2つの記事のような表現で留まることが大半でしょう。

 マスコミ報道の多くは、「全壊・焼失家屋」や「家屋倒壊」といった被害のことが中心となります。もちろん、そのニュースの元となる「調査会」の発表の仕方が、そもそもこのようなレベルの分析・公表に留まるからでしょう。

 しかし、地震国の日本で最も留意すべきことは、地震による原発事故です。マスコミ報道の中には、多少突っ込んだものもあります。例えば、次のように、「即発臨海」の危険性を取り上げたものです。「最悪なら急激な核反応が一気に起きる即発臨界の状態になっていた可能性がある」という部分に注意する必要があります。

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志賀原発、最悪なら即発臨界も 日本原子力技術協が解析
(朝日COM、2007年4月11日13:32)

 北陸電力志賀原発1号機(石川県)の臨界事故を受けて、日本原子力技術協会が当時の状況を解析したところ、最悪なら急激な核反応が一気に起きる即発臨界の状態になっていた可能性があることが11日、わかった。

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 通常の原子炉内での臨界は「遅発臨界」によって生じます。しかし、「即発臨海」が実際に起こった例があります。 

 1986年4月26日、ソビエト連邦(現 ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所で起きた事故です。メルトダウンののち爆発し、放射性降下物がウクライナ、ベラルーシ、ロシアなどを汚染しました。事故後のソ連政府の対応の遅れなどが重なり、被害が甚大化・広範化し、史上最悪の原子力事故となったものです。

 これまで知られてこなかった驚くべき事実があります。この史上最悪の原子力事故が、実は震度4の地震によるものだったということです【船瀬俊介『巨大地震が原発を襲う』地湧社、2007年9月】。

 「即発臨界」というのは原爆の核爆発の際に生じる現象です。核分裂反応が千分の一秒単位という短時間に急激に進行して人間による制御が不可能になる現象を言います。

 もし地震により「即発臨界」が生じた場合、その経済的な被害は計り知れません。「ライフラインや交通などの経済被害」などで、済まされないことは容易に想像できます。

 チェルノブイリがそうであったように、「震災地=原発爆発地」の周辺では多数の人々が即死し、ライフラインや交通どころか、まったく人気の無くなるような廃墟の状態になるでしょう。これが近畿地方で起きれば関西経済圏が、また中越あたりで起きたとしても東京都心を含む関東経済圏の経済的機能は、ほぼ完全に麻痺すること必至でしょう。

 そうなれば円は紙くず同然となり、生産設備は稼動停止になり、未曾有の社会的・経済的な混乱が生じることになります。もちろん私たちの生命さえも危険にさらされます。「調査会」ではこうしたリスクが皆無ではないことを想定した上で、真に重要で有効な回避方法や解決方法を早急に模索することが求められているのではないでしょうか。

 参考までに、ウィキペディアの「臨界状態」から、関連用語を抜粋しておきましょう。

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 原子核分裂の反応によって生成される中性子は、原子核が分裂した直後に発生する即発中性子と分裂後の原子核がベータ崩壊を起こすことによって二次的に発生する遅発中性子とに分けられる。臨界に達するのに遅発中性子が必要な場合、遅発臨界と呼んで区別する場合がある。この時、即発中性子のみで臨界に達するならばこれを即発臨界と呼ぶ。

 連鎖反応が遅発臨界状態となっている場合、反応速度は遅発中性子の推移に左右されるため外部から制御可能になるという重要な性質がある。従って、全ての原子力発電所の炉心ではこの状態で運転されている。一方で即発超臨界となった場合はもはや制御不能であり、その反応の中心は即座に爆発を起こす

(出所)ウィキペディア

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» ■大阪直下型地震⇒上町断層の被害想定は4万人、首都圏直下型を... [明日への道しるべ@ジネット別館]
 1.始めに 平成17年9月に首都直下地震の被害想定が、死者約1万3000人、倒壊・焼失建物約85万棟と発表され、その数字に驚かされた。今日、国の中央防災会議の専門調査会から近畿圏や中部圏で発生する恐れのある13カ所の内陸直下地震の被害想定が発表され、...... [続きを読む]

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