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2007年10月26日 (金)

【一言】中国の銀行「窓口指導」に見るもう1つの側面

20071026  少し前のニュースですが、この内容はとても重要なことですので、ごく簡単に取り上げておきましょう。
(青の太字下線は、私が付しました。画像は記事とは関係ありません。)

=====≪quote≫
中国、銀行窓口指導を拡大・過熱抑制へ融資制限
(2007年10月17日、NIKKEI NET)

 中国政府は商業銀行に対する融資の「窓口指導」を拡大する方針だ。16日に開いた共産党大会の金融代表団の会合で明らかになった。資源浪費型の企業や環境対策が不十分な企業への融資制限も実施する。党大会で胡錦濤総書記(国家主席)が打ち出した経済の過熱抑制に向けたマクロ調整の強化と、環境などに配慮した持続的成長の実現を金融面から後押しする。

 窓口指導は金融当局が市中の金融機関に融資の増減率を指導するもので市場原理には基づかない行政指導の一種。今回の過熱局面で中国は預金・貸し出しの基準金利や預金準備率の調節といった金融政策と並ぶ引き締め手段としてきた。(07:00)
=====≪unquote≫

■私の見方:
(ビジネスパーソンも知っておきたいマクロ経済学的な視点)

 「窓口指導」なんて、いつの話であろうか、と思われる読者が大半でしょう。古くはドイツで、また日本でもとられていた(いる?)方法(ある種の行政的な指導)です。英国などでは「道徳的説得」と称せられていた(いる?)ものです。
 日独両国は、実はこの方法により、第2次大戦後の世界経済の機関車役を担ってきたのです。言い換えますと、英米型の経済成長モデルよりも優れていると言われるものです。

 中国は、日本が経済で大いに勢いのあった1960年~1980年頃までにおける、この方法を随分と研究・勉強したに違いありません。中国の最近の経済成長の原動力は、この方法が有効に機能していると思われます。
(1997年のアジア経済危機後の、特に2001年以降に復活した韓国の経済成長のメカニズムも、ほぼこの方法が背後で作用していると言えましょう。)

 政府の指導のもと、中央銀行が適切な「窓口指導」をすることで、その国の経済の生産部門に適量のマネー=信用創造量がうまく回れば「インフレ無き成長」が可能なのです。金融引き締めだけではなく、持続的な経済成長をもたらす鍵がこの方法だと言われています。

 まずは、ここまでにしておきましょう。

PS:
 さきほど(10/26金曜の昼どき)まで、霞が関官僚や企業幹部の皆さんも集まる、ある勉強会(@霞が関方面)で、本日の勉強会講師を務めて頂きました、大手総合商社の経済系研究所の主任研究員の方(中国の経済や貿易などがご専門)に、上記の点をご質問しました。
 中国の貿易(特に輸出)、あるいは経済成長そのものへの過熱について、多くの皆さんは、その対応策として「為替レート」や「金利」のことを重要視します。しかし、この大事な「信用創造量」のことは圏外になっているようです。

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