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2007年8月 4日 (土)

総務省ICT国際競争力会議のWG第1回会議に向け

 総務省主催のICT国際競争力会議(次世代IPネットワークWG)の第1回が、8/3(金)に開催されました。
 今回の構成員は、前回から幾分入れ替えがあったようです。

 私は当日ドイツにいましたので、当社の研究員に代理出席をお願いした上で、当日求められた意見をパリおよびボンで書きました。その一部(メモ)は、次のようなものでした。

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●競争と協調について:

◇闇雲な「競争」は、①企業にとって、ともすれば価格値下げ圧力を高めることに終始し、市場全体では少なからず弊害が出ていることは歴史が証明済み。また、②国民・消費者へのサービスのレベル・品質などの点で、事故その他の不具合をもたらすなどの問題も生じさせます。さらに③マクロ経済の観点では、従業員の雇用削減につながるなどの合成の誤謬に。「競争」と同時に「協調」を考慮すべき。

◇そして、「競争」の相手を明確にすることが重要。当会議・WGでは、競争相手は誰か、どこか。国内では基本的には協調・連携関係にあることを認識することが必要。


●市場について:

◇第1に憂慮すべきことは、「国内市場」における競争力を保持すること。最近では国際競争力どころか、日本の企業が国際金融資本や外国企業の買収対象になっています。日本が培ってきた技術や知的資産を当面極力売却してはならないと思われます。

 にもかかわらずマクロ経済環境下(円安や株安のもと)なぜか「三角合併」が導入されてしまったが、海外企業からの攻勢を回避することが不可欠。マクロ経済環境の好転には生産性向上よりも、世の中にお金をもっと流通させること(それには日銀の低金利政策の変更と適度な財政刺激策が不可欠)。

◇第2に海外市場において、地の利をいかした近隣周辺国への競争優位を強化すべき。

 海外ビジネスを牽制する政治的な動き(例:伝統的な「分割して統治する」)には、政府も産業界も十分留意すべき。そして、一部近隣国(主に中国)のビジネス環境は劣悪ではあるものの、近隣国とわが国は競争相手ではなく協調関係にあるパートナーであることを、改めて相互認識する。その上でインド・中国とわが国を主とする、独自通貨体系をもった政治経済統合体「AU」(Asia Union)をつくるべき。

 現在の脆弱なドル基軸体制から、わが国や近隣国を防衛する最大級の手段になるはず。


●次世代IPネットワークについて:

◇これは日本の高度な技術が集積された(されうる)もの。新たな国内産業の屋台骨になると同時に、海外ビジネスで攻勢をかける際の切り札。同IPNWに多くの技術や製品・サービスを統合(インテグラル)することが強みになる(特に市場揺籃期)。

 例えば、英国のTelefonicaO2にライセンス供与している、日本型ビジネスモデル「iモ―ド」のような垂直統合的な仕組みは、通信キャリアのパートナーであるCPの層の拡がり・厚みなどの土壌が海外へのビジネス展開先になければ育ちません。同IPNWの利用が広く海外でも行えなるよう、各層のプレイヤーと関係まで意識したインテグラルモデルが考案できないものか。

◇市場成長期にあっては、別途モジュール化を進める。ただし、この段階では規模の経済性が発揮できるような土壌づくりが成功には不可欠。また次世代IPNWを起点とするプロシューマーによる新たなメディア(旧来の放送・新聞とは異なるもの)をつくることで、あらゆる情報が流通するようにする。

◇次世代IPNWでは、①一定価格を支払うがセキュリティーを強化したNWと、②安価であるがセキュリティー面は緩和され使い勝手を重視したNWの2つが並存する形態になるのではないか。

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