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2007年6月11日 (月)

エリクソンの中国での携帯電話ビジネス

 エリクソン社が中国移動通信集団に対し、GSM方式のカバー範囲を拡大する際のコアとネットワークの機器を大規模かつ長期にわたり供給するという。わが国の携帯電話メーカーとしては、さぞかし羨ましい報道に違いない。。。

エリクソン、中国移動通信集団と10億ドル規模の契約 (NIKKEI NET、2007/06/11)

【ストックホルム(ダウ・ジョーンズ)】 スウェーデンの通信機器大手、エリクソンは10日、中国移動通信
集団(CMCC)との間で10億ドル規模の枠組み契約を交わしたことを明らかにした。
Cmcc_1   Ceo_2
 エリクソンは同契約に基づき、CMCCがGSM方式のカバー範囲を拡大する際のコアとネットワークの機器を供給する。GSM方式は世界で普及している携帯電話規格。機器の納入はすでに開始しており、CMCCが中国の19の地域にGSMを拡大する際の技術支援やサービスも契約に含まれる。
 スウェーデンの首都、ストックホルムで行われた契約調印式には、同国を2日間の日程で訪問中の胡錦濤・国家主席とフレデリック・ラインフェルト同国首相、エリクソンのカールヘンリック・スヴァンベリ最高経営責任者(CEO)、CMCCの王建宙総裁が出席した。
 スヴァンベリCEOは、「1世紀にわたり中国と協力できることは光栄なことだ。われわれのグローバルな専門技術と実証済みの能力により、中国の通信業界の成長と発展を支えることに尽力している。本日発表する合意は、このこと強く証明するものだ」と声明の中でコメントした。


 この動きについて、いくつかのポイントを記してきましょう。

グローバル・デファクト標準であるGSM方式がベースになっていること
 日本の携帯電話メーカーは、実質この方式に対応できていない。欧州のモバイル産業戦略の呪縛がまだ続いている。GSMを持ち出される限り、日本企業は中国に限らず、グローバル市場になかなか入っていけない。

中国が「市場」を提供する代わりに「技術」を獲得するという、これまでの中国のビジネスモデルを踏襲し、安価に技術・製品を手に入れていること
 GSMは“枯れた技術”ゆえ、中国移動通信集団にとって最先端の技術を手に入れるというよりも、非常に安い価格帯で手に入れることができた。これで自国のインフラ整備を効率的に進めることができ、競争優位も築ける。

両国の政治トップ(首相、国家出席)が介在している、高度な政治的なディールであること
 中国は、特に通信サービス市場を外国企業に開放する気はないだろう。市場インフラ整備を外資の力を借りて、さっさと済ましてしまう。コアとネットワークの機器に関する技術は、自国の企業が後で獲得すればよい。このような算段が働いているだろう。日本企業では、残念ながら(?)この種のディール(芸当)はとても真似できない。

「1世紀にわたり中国と協力できることは光栄」などとは、スウェーデンもよもや本気で考えてはいまいだろうこと
 「中国市場」は外資による投資と輸出部門で大半が成り立っている。また不動産投資と金融投資の比率が異様に高く、市場としてはきわめて脆弱。「1世紀」どころか、来年(2008年)8月の北京五輪開催前に、株バブル破裂に直面する可能性は少なくない。これは中国ビジネスのすべてに共通する、極めて憂慮される懸念材料。
 その意味では、その「市場」に熟知していない日本企業は、うかつに手を出さない方が、つまり、身の丈よりも高い芸当に手を出さない方が身のため。苦しい解釈に聞こえるかも知れないが、ここは重要なポイントだ。

 ざっとこのようなことが思い浮かびます。

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