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2007年6月16日 (土)

通信と放送の融合に関する“情報通信法”の機会と脅威(対CATV会社・電力系通信会社)

 総務省の「通信と放送の融合」に関する新法“情報通信法”(仮称)には、時代的な要請がある。
 Alvin Tofflerも言うように、技術イノベーションの速度に比べ、法律の世界のスピードは遥かに遅い。技術的には可能な「通信と放送の融合」が、ここに来てようやく法制度の面で現実的な進展を見せ始めてきた。竹中懇談会の置き土産(2006年6月6日に最終報告)の1つでもある。

 その竹中懇での成果は2010年に再度見直されることが決まっている。総務省はその間、様々な準備をすることになる。この“情報通信法”の検討もその一貫となろう。

通信と放送、融合へ新法・総務省方針 (NIKKEI NET、2007/06/14)

 総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」が来週まとめる中間報告が14日、明らかになった。ブロードバンド(高速大容量)通信やデジタル放送の普及で通信と放送の垣根が低くなってきた現状をふまえ、電気通信事業法や放送法などの法律を一本化。2011年に「情報通信法(仮称)」を制定する方針を盛り込んだ。技術革新に対応した多様な新規参入を促すと同時に、有害な番組の規制基準なども統一する狙い。

 研究会は来週19日に中間報告を公表。12月をめどに最終報告書をまとめ、年明けから新法制定に向けた作業に入る。通信・放送市場では2010~11年に光ファイバー網の全国敷設、地上波テレビ放送のデジタルへの移行が相次ぎ完了する。これをにらんで総務省は10年の通常国会に法案を提出、11年に施行したい考え。
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★写真は、懇談会終了後の会見(2006年6月6日)で報告する竹中平蔵総務大臣と座長の松原聡東洋大学教授。

 こうした総務省による「通信と放送の融合の“情報通信法”」に対して、CATV会社は危機感を強めているようだ。次の通り。

■CATV会社、放送・通信融合に危機感 (NIKKEI NET、2007/06/16)

 全国のCATV(ケーブルテレビ)会社が共同で高速無線通信サービスに取り組む背景には、放送と通信の技術的な垣根が低くなり、NTTなど通信大手と競合する場面が増えてきたことに対する危機感がある。CATV会社は地方自治体が出資する第3セクターが多く横の連携が悪いとされてきたが、連合で対抗する。

 「これまで新築マンションの多くでCATVが導入されていたが、昨年秋ごろからNTTグループに奪われることが増えてきた」。東京都を地盤とするCATV会社首脳は打ち明ける。

 実際、NTT東西とCATV会社、および電力系地域通信会社の3すくみで競合する度合いは俄然高まっている。CATV会社においては、これまで地域独占的な猶予期間を享受できていたが、これからは普通の市場競争の洗練を受けることになる。真に強く、市場で価値を提供できる企業に脱皮・転化するためには、この種の洗練を受けることから免れることはできままい。

 ただ国の競争政策には、お互いが“競争”できるような最低限の条件整備(例:非対称規制、競争が拮抗できるようになるまでの時間的な猶予付与など)が求められる。

 加えて、マクロ経済の観点からは、「通信と放送の融合」なる新たな産業が生み出す富の配分(各社の富のシェア配分)のみならず、新たな富を生み出せるかが重要。そのためには、融合産業が成長できるかどうかが鍵を握る。ここで、その成長とは金額ベースを指す。

 当該市場(融合市場)が揺籃期にある場合、多産多死型のトライ&エラーを通じ、様々なイノベーションを生起することができれば、産業の成長、ひいては新たな富を増大させることができ、マクロ経済面でも大きな意味が出てくる。

 新法“情報通信法”には、こうしたマクロ経済面での寄与につながることが期待される。

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