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2006年10月27日 (金)

【一言】MNP後に、やはり「大人」でなかったことが判明した(?)ソフトバンクモバイル(2006/10/27)

 早朝から深夜までソフトバンクモバイル(SBM)のニュースが何回も報じられた。MNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ)が10月24日にスタートし、乗り換えのための情報システム能力が十分機能せず、携帯電話の契約業務の停止に追い込まれた。間際に価格戦略が打ち出されたために、“予想外”の需要見通しとなり、情報システムが追随できなかったようだ。そう驚くほどのことではない。

 ドコモやauから、「0円広告」が不当であるとの槍玉に上がり、SBMのMNP後の船出は、ADSLサービスのYahoo!BB登場の初期のように、関係者には苦いものとなった。消費者から見ると、携帯電話の料金は大変複雑なものであり、SBMに限ったことではない。それよりも次の点は依然注目すべきことだ。深夜での自社携帯同士では通話かけ放題、あるいは明瞭も自社同士であれば無料といったように制限つきながら、0円ないし大幅な低価格戦略を講じたことの意味は画期的である。これまでの寡占市場のうまみを知るドコモやauでは、決して実施しえなかったものに違いない。

 Christensenの言葉を借りれば、SBMがまず、低価格でカスタマイズ容易なローエンド市場を狙うのは正攻法のアプローチといえよう。これで一定部分の市場シェアを切り崩すことは十分できる。普及率72%の携帯電話市場では、〔A〕金払いのよい消費者を顧客とするハイエンド市場を見込んだ成長は、飽和の勢いを増しているからだ。満足度不足の顧客数は年々減少している。ハイエンド市場の成長性には陰りが見えてきたことは明らかだ。(もちろん、従来の通話サービス向けの財布とは別の財布の紐を刺激できるようなことができれば、この限りではないが。)

 となれば、〔B〕今般SBMが採ったようなローエンド型イノベーションを狙うか、あるいは〔C〕現下の携帯電話サービス(通話とデータ通信)をまったく使ったことのない非消費者をターゲットにする企業が、将来の携帯電話市場を制することになろう。それが、SBMかそれとも既存大手の2社か、それともまったく別のダークホースが登場するのか、これからがいよいよ面白くなってきた。携帯電話市場を含む情報通信産業の将来見通しについては、経済学および経済学の視点からポイントを整理し、近く出版にまでこぎつけたいと考えている。

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