« 【一言】総務省CATV研究会、NGNとの関係に踏み込み議論(2006/10/20) | トップページ | 【一言】MNP後に、やはり「大人」でなかったことが判明した(?)ソフトバンクモバイル(2006/10/27) »

2006年10月20日 (金)

【一言】FTTH市場でのNTTグループの独走を危惧する競合事業者、対抗策を模索(2006/10/20)

 イー・アクセスの千本会長の心配は、ソフトバンクの孫社長の比ではないだろう。確かにFTTH市場が、NTTグループに独占的に支配される状況が出現すれば、イー・アクセスのADSL事業は壊滅的な打撃を受けるだろう。

 ADSLサービスが本格的に日本市場に登場した当時、このADSL技術は破壊的であった。イー・アクセスやソフトバンクのような新興勢力だけが、この技術を導入できた。そして、レガシーなドミナント事業者においては、当時ISDNを普及させようとした事業計画を狂わされた。しかし今や、ADSLもFTTHもブロードバンド市場という持続的成長領域での代替関係にあるサービスとなった。消費者のニーズ(用事)を片付けるレベルが、安価かつ数Mbpsで済んだ(満足した)ポジションから、消費者が許容できる範囲の安価さで、かつ数十Mbpsが求められるポジションにシフトし始めたからだ。

 市場の行方は不確実で不透明な時は、市場競争に委ねるのがエコノミクスとしては効率的だ。しかし、その行方がある程度予見の範囲であれば、市場の効率化をはかる際、国の一定の関与に合理性が認められる。千本会長が訴えることは、この文脈の中にあるのではないか。

 言い換えると、FTTH市場の拡大の「方法」が、わが国の情報通信市場の今後の発展の経路を規定することになろう。ただ、FTTHによる物理的インフラが整備される途上、それを基盤にしたサービスの発展形態は、きわめて多様(=不確実)な状況が予想される。つまり、このサービスレベルの競争には国の関与は原則必要ない。

=====≪quote≫
FTTH市場でのNTTグループの独走を危惧する競合事業者、対抗策を模索
(日経BP ITpro、2006/10/20)


 「現在のFTTH(ファイバー・ツー・ザ・ホーム)市場の拡大は、NTTグループの独り勝ちを反映しているだけにすぎない。このままではデジタルデバイドは拡大し、市場競争も縮小してしまう」――。イー・アクセスの千本倖生会長は、同社の子会社で移動通信事業に参入予定のイー・モバイルの事業説明会で、固定通信事業の競争状況に対する懸念を表明した。

 「NTTグループが異常とも言える販売促進費を投じて、ADSL(非対称デジタル加入者線)サービスの加入者をFTTHサービスに移行させている。これではADSLサービスで実現していた事業者間競争が働かなくなり、市場が拡大しない。その結果、NTTグループも採算性が悪化していくだろう」と警告する。

 NTT東西地域会社のFTTHサービス契約者は2006年6月末時点で400万件を超し、シェア(市場占有率)では64.6%を占める。総務省の調査ではNTT東西のシェアは四半期ごとに数%ずつ上昇する傾向にあるという。こうした寡占傾向が強まることにより、「FTTHサービスは普及するのではなく、ユーザーを効率的に獲得できるエリアにしか提供されなくなる」(千本会長)という。全家庭に引き込まれた電話線を使えるADSLサービスでは、競合事業者が多数登場したことによって提供エリアの拡大が進んだ。

 だが、競争相手がいないFTTH市場では、NTT東西は、ユーザーが集中する都市部に集中して契約を獲得するだけで、グループの目標である3000万契約を達成することも可能だからだ。≫

(出所)滝沢泰盛=日経ニューメディア[2006/10/20]
=====≪quote≫

|

« 【一言】総務省CATV研究会、NGNとの関係に踏み込み議論(2006/10/20) | トップページ | 【一言】MNP後に、やはり「大人」でなかったことが判明した(?)ソフトバンクモバイル(2006/10/27) »

3.情報通信・メディア・ハイテク産業」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【一言】FTTH市場でのNTTグループの独走を危惧する競合事業者、対抗策を模索(2006/10/20):

« 【一言】総務省CATV研究会、NGNとの関係に踏み込み議論(2006/10/20) | トップページ | 【一言】MNP後に、やはり「大人」でなかったことが判明した(?)ソフトバンクモバイル(2006/10/27) »