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2006年10月20日 (金)

【一言】総務省CATV研究会、NGNとの関係に踏み込み議論(2006/10/20)

 CATV事業が注目されてきた。

 先日、ある新聞社の経済記者が私を訪ねてきた。KDDIのような通信事業者による最近のCATV事業会社の買収や提携の動きをどう思うか尋ねられた。NTTへの対抗措置でもあるため、ソフトバンクにおいても同様だ。つまり、NTTのFTTH事業への取り組みに危機感を抱いている。この記者は随分と勉強しているようだった。何人もの関係者へのインタビューを通じ業界のことに詳しかった。この種の取材では、私は今後の展望を示すのみに留めているので、特ダネ記事を書くのにはお役に立てなかっただろう。

 下の参考記事では、音好宏助教授が、いくつかのポイントを総務省に示した。同助教授とは、もう10年弱近くの昔に、ある通信市場に関する業界勉強会で一緒になったことがある。私は、この夏まで総務省のNGNに関する検討会の委員を務めていた。ただ、この検討会ではCATVとNGNとの関連はあまり議論されなかった。

 ≪地上デジタル放送を受信できない条件不利地域でのCATV事業者のインフラ整備には、「国が財政・金融・税制上の支援を行う」とする具体案≫は、当面の策としてはまっとうと言えるかも知れない。CATVを巡る問題を整理すると2つに大別される。〔a〕国の支援を引き出すデジタルデバイド解決アプローチと、〔b〕CATVインフラを取り込みたい総合型通信事業者の戦略に関するものだ。

 デジタルデバイド解消には、衛星通信もその解を与えうるオプションとなる。MSOの仕組みが導入されて久しいが、CATVというとこれまでどうしても市場競争のフレームワークには乗らないものだった。それがいよいよ、KDDIなどの総合型通信事業者が触手を伸ばしてきた。FTTHサービスの攻勢をかけるNTT東西への対抗策だ。

 ただ、キャスティングボートを握っているかのような今のCATV会社は大手であってもその能力は、いずれ総合型通信事業者に統合(買収)される流れになっていくのではないか。「能力買収」において意味のある買収対象は、ネットワーク資源と顧客となる。Christensen流にいえば、プロセスや価値基準はあまり役立たないだろう。

=====≪quote≫
総務省CATV研究会、NGNとの関係に踏み込み議論
(日経BP ITpro、2006/10/20)

 総務省は10月20日、「2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会」の第7回目会合を開催した。今回の研究会は、構成員である上智大学の音好宏助教授が「ケーブルテレビの将来展望を考えるための課題」と題したプレゼンテーションを実施。それに続き、第6回目会合で挙げられたケーブルテレビ(CATV)をめぐる課題に対する方策案を総務省が提示した。

 音構成員はCATV事業者が再編や統合によって、都市部を中心に複数のCATV局を手広く運営するMSO(multiplesystemsoperator)型と、特定市町村に密着する公営型に二極化している状況を説明。現在、二極の中間に位置する“地方都市型”とも言うべき事業者がMSO型事業者に吸収される構造にあるとした。

 続いて総務省側が第6回会合で挙げた課題に対する方策案を提示。例えば、地上デジタル放送を受信できない条件不利地域でのCATV事業者のインフラ整備には、「国が財政・金融・税制上の支援を行う」とする具体案を示した。

 映像配信市場の公正な競争環境促進という観点から、通信事業者が進めている次世代ネットワーク「NGN」との関係にも言及した。CATV事業者はNGNのインタフェース条件について、「積極的に関与し、必要に応じてインタフェース条件のさらなる開示を通信事業者に要請する」との案を示した。

 総務省は、一部地域を対象とするFM局であるコミュニティFMとCATV事業者の連携についての課題にも一歩踏み込んだ案を提示した。現在は「有線テレビジョン放送法」と「電波法」の審査基準によって、CATV事業者とコミュニティFMの兼営が制限されるているが、「具体的ニーズがあるかを調査した上で、必要であれば審査基準の見直しを検討する」とした。

(出所)大谷晃司=日経コミュニケーション[2006/10/20]
=====≪unquote≫

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